ミラノの風に吹かれて――高梨沙羅が今、あえて見せる「引き算の美学」と素顔への回帰
ここで少し立ち止まって考えてみたい。なぜ私たちは、彼女のメイクや素顔にこれほどまでに執着したのだろうか。そこには、女性アスリートに対する「こうあるべき」という古い価値観が潜んでいたことは否めない。「素朴で純真な少女」であってほしいというファンタジーと、一人の自立した女性としての自己表現とのギャップが、かつての摩擦を生んだのだ。
しかし、時代は変わった。アスリートが個人のスタイルを持ち、それを自由に表現することは今や当たり前だ。彼女がメイクを楽しもうが、あるいは完全にすっぴんで挑もうが、それは彼女自身の選択であり、他者がジャッジすべき領域ではない。その当たり前の事実に、私たちはようやく気づき始めている。
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