舞台の幕の種類と役割を徹底解剖!豪華な緞帳から歌舞伎の定式幕まで解説
数十枚にも及ぶ重厚な舞台幕を自在に操るため、劇場の舞台上部には巨大な吹き抜け空間が存在します。これがフライタワー(すのこ)と呼ばれる舞台機構の心臓部です。客席からは見えませんが、舞台開口部の2倍から3倍もの高さを持ち、無数の鉄パイプ(バトン)が張り巡らされています。
舞台幕はこのバトンに固定されており、場面転換の合図とともに超高速で昇降します。バトンの操作を行う場所を綱元(つなもと)と呼びます。伝統的な手動綱元では、吊り荷と同じ重さのカウンターウェイト(鉄の重り)をセットし、重力のバランスを利用して舞台裏の職人がロープを手送りでリズミカルに操作します。熟練の綱元スタッフは、役者の動きや音楽のテンポに合わせて幕の昇降スピードをミリ単位で微調整する職人技を持っています。
近年建設された大規模ホールでは、コンピューター制御による電動ウインチシステムが主流となっています。ミリ秒単位のプログラミングによって複数枚の幕を同時に複雑なカーブを描きながら動かすことが可能になりました。
しかし、重量物が頭上を行き交う舞台裏は常に危険と隣り合わせです。幕の昇降レールへの異物噛み込み防止、強風(空調のドラフト現象)による幕の揺れ対策、地震発生時の緊急停止プログラムなど、徹底した安全基準と日々の点検作業によって舞台の安全が担保されています。
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