最強の鬼・黒死牟はなぜ「かわいい」?ファンの心を掴む驚きの真相
すべての発端は、実弟である継国縁壱の存在にほかならない。天賦の才を持ち、生まれながらに神仏の寵愛を受けた縁壱に対し、兄である黒死牟――かつての継国巌勝は、途方もない嫉妬と劣等感を抱き続けた。己の人生のすべてを捧げ、人間性をかなぐり捨てて鬼となってまで追い求めた背中。だが、その距離が縮まることは決してなかった。
数百年が経過した戦いの最中、懐からこぼれ落ちたのは、かつて自身が縁壱に与えた手作りの不恰好な笛だった。憎悪し、否定し、超えようともがき続けた弟の形見を、世界最強の鬼は四百年以上も肌身離さず持ち歩いていたのである。この描写に読者は息を呑んだ。
言葉では弟を蔑み、拒絶しながら、行動のすべてが縁壱への歪んだ愛惜で満たされている。理屈では割り切れない情念を抱えた大男の背中は、恐怖ではなく、愛らしさすら漂う哀愁を帯びていた。
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