終戦81年、静寂の日本武道館に響く「問い」——世代交代が進む「全国戦没者追悼式」と、試される不戦の誓い
かつて武道館の参列席には、夫を亡くした黒の喪服に身を包む妻たちの姿が溢れていた。しかし、時間の経過は過酷だ。厚生労働省の統計によれば、参列遺族のうち「戦没者の妻」の割合は全体の0.1%未満にまで急減。代わって参列の主体となったのは、父親の顔を知らずに育った子ども世代や、祖父母から間接的に話を聞いた孫・ひ孫世代である。
「父の遺品は古ぼけた白木箱と、数枚の写真だけでした」。今回初めて長野県から参列した40代の男性はそう語る。体験者が語る「生々しい痛切さ」が消え去り、戦争の記憶が抽象的な「歴史上の出来事」へと変質していく過程で、追悼式の現場にも確固たる温度差が生まれつつある。悲しみの共有から、歴史の「継承」への移行。言葉で言うのは容易いが、その壁は極めて高い。
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