医者の不養生とは?なぜ健康を説く医師が倒れるのか【過酷な真相】
「医者なのだから、病気のリスクは誰よりも分かっているはずだ」と世間は考えがちです。しかし、医療の現場取材や当事者の手記から浮かび上がってくるのは、個人の意思やモラルだけでは到底コントロールできない過酷な勤務実態です。
医師が心身を蝕まれる最大の要因は、慢性的な睡眠不足と逃げ場のない急性ストレスにあります。急性期病院や救急救命センター、産科、小児科、外科などに所属する勤務医は、日中の通常外来や手術を終えた後、そのまま夜間当直へ突入するケースが珍しくありません。深夜に心停止患者が搬送されたり緊急手術が入れば、一睡もできないまま翌朝の通常勤務を迎え、拘束時間が連続32時間を超えることも日常茶飯事です。
地方の大学病院に勤務するある外科医は、取材に対してこう打ち明けています。「『先生、血圧が高いので塩分を減らして寝てください』と患者さんに話している最中、自分の頭が偏頭痛と睡眠不足で割れそうになっている。深夜2時に手術が終わり、アドレナリンが出た状態でエナジードリンクと高カロリーのスナック菓子を流し込み、仮眠室の硬いベッドに倒れ込む。自ら寿命を削りながら他人の寿命を延ばしているような感覚に陥る」。
人間の自律神経系は、徹夜や不規則なシフト勤務によって深刻なダメージを受けます。夜間に交感神経が優位な状態が続けば、高血圧、不整脈、耐糖能異常、うつ病のリスクが跳ね上がります。健康を指南する立場でありながら、皮肉にも勤務医の労働環境そのものが生活習慣病とメンタル不調の培養土になっているのが現実です。
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