親が亡くなった時の手続き一覧とまずやること|口座凍結と相続の期限
金融機関における口座凍結のタイミングと解除方法には、一般に誤解されている点が少なくありません。市役所に死亡届を提出しても、行政から銀行へ死亡情報が自動連携されることは原則としてありません。金融機関が口座を凍結するのは、遺族からの死亡連絡を受けた瞬間、または新聞の訃報欄や地域の連絡網等を通じて名義人の死亡を独自に把握した時点です。
「連絡しなければ口座からお金を下ろし続けられる」と考えるのは早計です。生前のキャッシュカードの暗証番号を知っていたとしても、名義人死亡後の引き出し履歴はすべて通帳や取引履歴に残ります。他の相続人から不当利得返還請求や損害賠償請求を起こされるリスクが高まるため、正当な法的手続きを踏む必要があります。
口座が完全に凍結された場合、遺産分割協議書や相続人全員の戸籍謄本・印鑑証明書を揃えて正式な解約手続きを完了させるまで、原則として預金の払い戻しはできません。この手続きには数週間から数カ月を要するため、葬儀代や医療費の支払いに困窮するケースが存在します。そこで活用すべきなのが、民法改正により創設された「預貯金の仮払い制度」です。
この制度を利用すれば、遺産分割協議が整う前であっても、各共同相続人が単独で以下の計算式に基づき預金を引き出せます。
【単独で引き出せる仮払い限度額】
「死亡時の預貯金残高 × 法定相続分 × 1/3」
(※ただし同一の金融機関から引き出せる上限額は150万円まで)
例えば、長男(法定相続分1/2)が預金残高600万円の口座から引き出す場合、「600万円 × 1/2 × 1/3 = 100万円」を窓口で申請可能です。金融機関の窓口に除籍謄本や自身の戸籍謄本、印鑑証明書を提出することで、早ければ数日程度で当面の必要資金を確保できます。
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