「ただの咳」で命を落とすな!喘息発作の重症度と救急車を呼ぶ絶対基準
なぜ、これほど情報が整った現代においても喘息による家庭内死亡がなくならないのか。そこには日本社会特有の心理的・構造的要因が深く横たわっています。
呼吸器内科医や心理カウンセラーが指摘するのは、日本人に根強い「我慢の美徳」と「他者への気遣い」、そして心理学でいう正常性バイアスの負の連鎖です。「真夜中に救急車を呼んだら近所に迷惑がかかるのではないか」「救急車をタクシー代わりに使っていると思われたくない」「今までも朝になれば何とか治まってきたから、今回も耐えられるはずだ」という思考停止が、気道閉塞の進行と相まって受診の判断を遅らせます。
岐阜県医師会などが推進している「喘息アクションプラン(自己管理計画書)」の普及活動が示すように、発作が起きてからパニック状態で考えるのではなく、平常時に「どのような症状が出たら、どの薬を使い、どのラインで救急車を呼ぶか」を主治医と合意しておくことが命綱になります。
客観的な判断基準を明確にするため、発作時の行動指針を「自己対応で様子を見る人」と「直ちに救急要請・病院直行すべき人」に峻別しました。
【発作時における明確な行動基準】▼自宅で様子を見てよい条件:
・SpO2が常時96%以上を保てている
・普段通りの声量で息継ぎなく会話ができる
・布団に頭を乗せて水平に横たわることができる
・処方された気管支拡張薬(SABA)を1吸入し、15分以内に完全に呼吸苦が消失した
▼直ちに救急車を呼ぶ(または夜間救急へ急行する)絶対条件:
・横になれず前かがみで座り込んでいる(起坐呼吸)
・言葉が途切れ途切れで、単語しか発声できない
・パルスオキシメーターの数値が90%台前半から90%以下へ降下している
・吸入薬を20分あけて2回使用しても、息苦しさが全く改善しない
・唇や爪が紫色に変色している、または激しかった喘鳴が突然聞こえなくなった