甘夏と八朔の違いを完全比較!プロが教える見分け方と糖度・旬の真相
柑橘売り場における季節の移り変わりは非常にシステマチックです。八朔と甘夏は店頭に並ぶ時期が重なる期間もありますが、最盛期のピークは一歩ずれています。
八朔の出荷時期は12月下旬から4月下旬にかけてです。全国生産量の約6割以上を占める絶対的産地が和歌山県(特に紀の川市や有田川町周辺)です。和歌山県産の八朔は、12月から1月にかけて収穫された後、専用の貯蔵庫で1〜2ヶ月間寝かせる「木成り熟成」や「予措(よそう)・追熟貯蔵」が行われます。この熟成期間中にトゲのある酸味が自然に抜け、糖と酸のバランスが整った「蔵出し八朔」として2月から3月に最高の食べ頃を迎えます。また、3月以降に樹上でギリギリまで完熟させた「木成り八朔(紅八朔など)」は、濃厚な甘みと果汁感を兼備した高級品として取引されます。
これに対し、甘夏の旬は3月上旬から5月下旬(ハウス物や紅甘夏を含めると6月上旬まで)となります。主産地は熊本県、愛媛県、鹿児島県、和歌山県などの温暖な沿岸部です。甘夏は樹上で冬を越して春の陽光を浴びることで酸が抜け、初夏に向けた気温上昇とともに爽快な水分補給フルーツとして市場を席巻します。つまり、「冬の終わりから早春を告げる八朔」から「春爛漫から初夏を彩る甘夏」へというリレーが成立しています。
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