自伐型林業は儲かるか?食べていけない真相と2026年のリアル年収

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林野庁の木材流通統計や現場の出荷伝票を精査すると、自伐型林業におけるリアルな収支構造が浮かび上がってきます。小規模施業を行う従事者が1年間に自力で伐出できる木材の量は、気象条件や作業道の敷設スピードにも左右されますが、年間およそ200立方メートルから300立方メートル程度が現実的な上限値とされます。

国産スギ・ヒノキの原木市場価格が1立方メートルあたり1万1,000円から1万4,000円前後で推移する市況を前提に試算すると、年間売上高はおよそ220万〜420万円にとどまります。ここからチェーンソーや軽トラックの燃料代、重機の損料、山林所有者への立木代(原木売上の10〜20%程度)、出荷時の運搬経費を差し引けば、手元に残る純利益は200万円前後にまで圧縮されます。

かつて地方に移住し、自伐型林業一本での生計樹立を試みた30代の元従事者は、取材に対して次のような苦汁を語っています。

「最初の1〜2年は地域おこし協力隊の手当があったため、山に入って木を切るだけで生活が成り立っていると錯覚していました。しかし、任期が切れて自営一本になった瞬間、天候不良で作業ができない月は売上が完全にゼロになる恐怖に襲われました。機材の故障修理代がかさんだ年も重なり、最終的に貯金をすべて取り崩して林業から撤退せざるを得ませんでした」

このように、「自伐型林業は儲かる」という言説を鵜呑みにして単一収入源としての独立を果たすと、日給換算で数千円レベルの重労働に陥り、「食べていけない」という現実に突き当たることになります。この事業は「木材を大量に売って大金を稼ぐ」ための仕組みではなく、「低コストかつ小規模に山を整えながら、長期的に資産価値を維持する」ためのアプローチであるという根本的な認識のズレが、失敗を生み出す最大の温床となっています。

佐藤 大輔

佐藤 大輔

シニアコンテンツプロデューサー

最新のテクノロジーと生活デザインの融合をテーマに、国内外の最新トピックを発信しています。

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