國重惇史の生涯と住友銀行秘史の真実|イトマン事件から楽天退任まで
1980年代後半のバブル経済期、住友銀行を揺るがす戦後最大の経済スキャンダル「イトマン事件」が勃発します。同行出身の社長が率いる中堅商社・イトマン株式会社へ、許永中(きょ えいちゅう)氏や伊藤寿永光(いとう すえみつ)氏ら不動産・絵画ブローカーを通じて3,000億円超もの巨額資金が不正流出。住友銀行会長・磯田一郎氏の権力乱用と結びつき、銀行そのものが闇勢力に呑まれかける危機に直面しました。
当時、本店総務部次長だった國重氏は、銀行の破滅を阻止するため極秘裏に動きました。検察幹部、警察庁幹部、大蔵省、日本経済新聞をはじめとするメディア各社の記者と水面下で接触し、銀行内部の機密資料や不正融資の動向をリーク。「組織を救うために組織を裏切る」という極限状態の中で、磯田会長退任とイトマン経営陣排除を主導しました。
この壮絶な暗闘を、当時書き残していた詳細な手帳と日記をベースに完全再現したのが、2016年に講談社から出版された『住友銀行秘史』です。実名が飛び交う生々しい告白は「銀行文学の最高峰」と称され、ベストセラーを記録しました。
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