札幌市資料館が無料公開を貫く理由|旧控訴院の歴史と2026年最新動向

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館内に一歩足を踏み入れると、外の喧騒が遮断された静謐な空間が広がります。館内の数ある展示の中でも、特に来館者の足を止めるのが2階に位置する刑事法廷展示室です。

ここは昭和初期の控訴審法廷を忠実に再現した空間で、法壇の上に並ぶ裁判官席や検事席、それを見上げる弁護人席や被告人席が厳格な配置のまま保存されています。特筆すべきは、戦前の法衣に施されていた独特の刺繍文様や、陪審法廷の歴史を物語る資料の細やかさです。木製の手すりや調度の軋み、天井の高い空間に響く靴音は、当時の法廷劇の緊張感を肌で感じさせ、司法の歩みを検証する貴重な生きた教材となっています。

一方、法廷の厳格さとは対照的な温もりで来館者を包み込むのが、札幌出身の画家・漫画家を顕彰するおおば比呂司記念室です。ユーモラスで温かみのある線画、愛用していた画具の数々、さらには旅先で遺したスケッチやエッセイが凝縮された空間は、昭和から平成初期の古き良き日本の情緒を今に伝えています。「記念室の扉を開けた瞬間、独特の懐かしい空気に心が洗われる」と評するリピーターも少なくありません。

さらに、館内には「SIAFラウンジ」が併設されており、札幌国際芸術祭の関連書籍やアート誌を閲覧しながら、自家焙煎コーヒーやスイーツを楽しむことができます。歴史の重厚さに浸った後、窓の外に広がる大通公園の緑を眺めながら過ごすカフェタイムは、知的好奇心を満たした旅行者にとって至福のひとときとなります。

井上 凛

井上 凛

シニアコンテンツプロデューサー

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。

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