イオン24時間営業はなぜ激減?深夜終了の真相と最新店舗の探し方
2000年代初頭から2010年代にかけて、イオングループは利便性の旗印として食品フロアを中心とした終夜営業を急速に拡大させました。しかし、現在ではその大半が深夜営業を終了しています。「イオン 24時間 廃止 理由」や「イオン 深夜営業 終了 なぜ」と検索窓に打ち込む生活者が絶えない背景には、かつての利便性を知る人々が抱く強い違和感があります。取材データと企業発表を総合すると、イオンが営業時間短縮へ舵を切った背景には、避けて通れない3つの構造的要因が存在します。
第1の決定打となったのが、エネルギーコスト(電気料金)の記録的な高騰です。延床面積が数万平方メートルに達する大型商業施設では、深夜であっても巨大な要冷ショーケース、冷凍ストッカー、広大なフロアのベース照明、館内空調を稼働させ続けなければなりません。大手流通業の試算によると、深夜帯(23時〜翌7時)に大型店舗をフル稼働させた場合、1店舗あたり月額数百万円規模の電気代が上乗せされます。深夜帯の売上がレジ通過客数数十人にとどまる店舗では、粗利益が光熱費すら下回る「開ければ開けるほど赤字になる」採算割れが常態化していました。
第2の要因は、労働力不足と深夜割増賃金の重圧です。労働基準法により、午後10時から午前5時までの労働には基礎賃金の25%以上の割増賃金支払いが義務付けられています。三大都市圏を中心に最低賃金が引き上げられ、深夜帯の実質時給が1,500円〜1,800円台に達するなか、深夜専従のアルバイト・パートの採用難は極限に達しました。あるイオンスタイルの元店長は次のように内情を明かします。
「求人を出しても深夜の応募は数カ月に1件程度。タイミーなどのスキマバイトを動員しても、防犯やレジ締め、生鮮食品の荷受けを任せられる責任者が深夜に常駐できず、結果として正社員が休日返上で穴埋めに入る過酷な勤務が続いていた。現場の疲弊は限界を超えており、営業時間短縮は従業員の心身を守るための死活問題だった」
第3の盲点として挙げられるのが、セルフレジ化の急速な進展と防犯・商品ロスリスクです。人手不足への対抗策として導入が進んだフルセルフレジですが、深夜帯は店内が死角だらけになりやすく、万引きやスキャン漏れ、酩酊客とのトラブルが急増しました。これらを防ぐために警備員を増員すれば人件費がさらに跳ね上がるというジレンマに直面し、経営陣は「深夜営業を廃止して防犯シャッターを降ろす」という経営判断を下さざるを得なくなったのです。