太陽のマテ茶の販売中止理由はなぜ?体に悪い噂の真相と復活の可能性
日本コカ・コーラが2012年3月に鳴り物入りで発売した「太陽のマテ茶」は、発売初年度に約1,000万ケース(約2億4,000万本)という飲料業界でも異例のメガヒットを記録しました。南米の活力ある食文化を背景に、「肉料理のお供」というこれまでの緑茶や烏龍茶にはなかった独自のポジショニングを確立したのです。しかし、これほどの成功を収めた商品がなぜフェードアウトを余儀なくされたのでしょうか。
業界関係者の証言や当時の市場推移を検証すると、最大の要因は特定保健用食品(トクホ)および機能性表示食品の急速な普及と、それに伴う無糖茶市場の構造変化にあります。
太陽のマテ茶が登場した直後、2013年にサントリーが「伊右衛門 特茶」を市場に投入し、花王の「ヘルシア」や自社の「からだすこやか茶W」など、脂肪の吸収抑制や分解を明確なエビデンスとともに謳う高機能飲料が爆発的なブームを迎えました。太陽のマテ茶は「飲むサラダ」という情緒的かつ健康的なイメージで消費者を惹きつけたものの、法的な機能性強調表示を持たない一般茶飲料であったため、「食事の脂肪対策」を求める層をトクホ飲料へと急速に奪われていきました。
さらに、無糖茶市場特有の「日常消費の壁」が立ちはだかりました。緑茶、麦茶、ブレンド茶(爽健美茶など)のように「朝から晩まで毎日水代わりにゴクゴク飲む」という飲用習慣を獲得するには、マテ茶特有の焙煎香と独特のほろ苦さはやや個性が強すぎました。結果として「肉料理を食べる特定のタイミングにしか買われない」という狭い喫食機会に限定され、リピート頻度の低下を招いたのです。
日本コカ・コーラ側から大々的な販売中止の告知が出されることはなく、2018年頃にかけて出荷調整とともに自然と姿を消す「サイレント終売」の形が取られました。同社としては、旗艦ブランドである「綾鷹」や「爽健美茶」、そして機能性を前面に出した「からだすこやか茶W」へ限られた製造ラインと販促予算を集中投下するポートフォリオの最適化を図った結果といえます。