ヤムチャしやがっての元ネタとは?原作未収録の台詞とネタ化の真相
ヤムチャの死亡シーンがネットスラングとしてのみならず、現代の世界的ポップカルチャーとして定着した最大の要因は、鳥山明氏が描いた「クレーターポーズ」の視覚的完成度にあります。
俯せになり、膝を抱え、片手を頭の近くに投げ出して丸くなるあの構図は、極限状態における人間の無力さを完璧なシンボリズムで切り取っていました。劇画調の残酷描写に寄りすぎず、かといって軽すぎもしない、絶妙な乾いたユーモアを内包したあのコマ割りは、読者の視覚的記憶に深く刻み込まれたのです。
このポーズのミーム価値を決定づけたのが、2010年代以降の公式サイドによる「セルフパロディ化」の動きでした。
2015年にプレミアムバンダイが発売した「HGヤムチャ」は、戦っている姿ではなく「倒れてクレーターに沈んでいる姿」だけを立体化するという前代未聞の仕様でネットを騒然とさせました。さらに2016年、テレビアニメ『ドラゴンボール超』第70話「シャンパからの挑戦状!今度は野球で勝負だ!!」において、主役級の活躍を見せたヤムチャがホームベース上で土煙の中から全く同じクレーターポーズで生還するという演出が放映されます。これには声優陣の迫真の演技も相まって、往年のファンから若年層までが熱狂しました。
現在では日本国内にとどまらず、海外のアニメコミュニティでも「Yamcha's Death Pose」あるいは動詞として「Yamchaed(ヤムチャされた=あっけなく敗北した)」というスラングが定着しています。格闘ゲームの敗北演出や他作品のパロディなど、国境を越えて引用される共通言語となったのです。
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