庭木のひこばえは切るべき?放置で枯れる原因と正しい剪定法
ひこばえへの対応は、植えている樹木の種類や仕立て方によって大きく分かれます。特に家庭果樹や庭木として人気の高い樹種における固有の注意点を確認しておきましょう。
1. オリーブ:害虫被害のサインと樹形維持
オリーブは萌芽力が非常に強く、根元からひこばえが林立しやすい性質を持ちます。放っておくと株立ちのように広がって主幹が太くならず、風通しが悪化して実つきも落ちます。また、オリーブアナアキゾウムシという深刻な害虫が幹を食害している際、防衛反応として根元から大量のひこばえが発生することがあります。ひこばえを放置すると株元の見通しが悪くなり、害虫の発見が遅れる原因にもなるため、見つけ次第すべて地際から切除するのが基本です。
2. シマトネリコ:株立ちの「主幹更新」に活かす例外
シマトネリコなどの株立ち樹種では、ひこばえを一概に悪者とする必要はありません。株立ち樹木は年数が経つと特定の幹が太くなりすぎて圧迫感が出たり、老木化して樹勢が落ちたりします。その際、健全に伸びたひこばえを1〜2本だけ残して育て、太くなりすぎた古い主幹を根元から間引く「主幹更新(幹の若返り)」を行う手法が有効です。残す枝以外はすべてカットし、計画的に樹形をコントロールします。
3. バラ:台木(野バラ)のひこばえを見落とすと品種が消失する
市販されているバラの苗木のほとんどは、強健な「ノイバラ(台木)」に目的の鑑賞品種(穂木)を接ぎ木して作られています。バラの株元から勢いよく伸びてくるひこばえ(台木芽)を放置すると、繁殖力の強いノイバラが株全体を乗っ取り、数年後には購入したはずの美しい大輪バラが咲かなくなり、小さな白い野バラしか咲かなくなるというトラブルが多発します。
接ぎ木テープの跡やクラウン(株元のコブ状の部分)より下から生えている芽は、すべて台木のひこばえです。葉の枚数(ノイバラは7枚葉が多い)やトゲの形状、成長スピードの違いを注視し、見つけたら直ちに根元からえぐり取る必要があります。