ダイエー八王子店閉店理由の真相と跡地の現在|タワマン再生の光と影

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地域住民の生活を約48年間にわたって支え続けたダイエー八王子店は、なぜ2019年2月28日をもって営業終了を選ばなければならなかったのでしょうか。単なる業績不振という一言では片付けられない、時代と都市構造の変容が絡み合った3つの決定的な閉店理由が存在します。

第1の要因は、建物の老朽化と耐震基準への適合問題です。1970年竣工の建物は新耐震基準(1981年施行)以前の旧耐震設計であり、2010年代後半には築50年近くに達していました。八王子市が公表した大規模建築物の耐震診断結果においても補強の必要性が浮き彫りになっており、耐震改修工事には莫大なコストが見込まれていました。配管や電気系統などの設備全体も限界を迎えており、商業施設としての継続運用は物理的に極めて困難な水準に達していたのです。

第2の要因は、八王子駅前の商業動線の劇的な変化です。かつて商業の中心だった横山町・甲州街道エリアから、JR八王子駅直結の「セレオ八王子」や駅南口再開発ビル「サザンスカイタワー八王子」へと人の流れが完全にシフトしました。さらに、多摩ニュータウン方面や郊外バイパス沿いに広大な駐車場を備えた大型ショッピングモール(ららぽーと立川立飛やイオンモール日の出など)が次々と開業。駅から徒歩約10分という中途半端な距離にあり、専用駐車場が手薄だった横山町の店舗は、二重の挟み撃ちを受ける形となりました。

第3の要因は、親会社であるイオングループの抜本的な店舗再生戦略です。ダイエーは2015年にイオンの完全子会社となり、旧来型の大規模総合スーパー(GMS)から、食品に特化した都市型スーパーへの業態転換を急ピッチで進めていました。衣料品や家庭用品の上層階売場がネット通販やファストファッションにシェアを奪われるなか、7階層ものフロアを抱える巨大店舗を維持することは経営合理性に反していました。建物の寿命とグループ全体のポートフォリオ再構築が重なったことが、歴史に幕を下ろす引き金を引いたのです。

山下 哲也

山下 哲也

自動車・モビリティライター

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。

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