なぜ1粒5000円でも完売?「あまーい」果実に日本人が狂う糖度神話の衝撃真相
茨城県つくば市の実験温室に足を踏み入れると、土の匂いは一切しない。漂うのは甘美な香気と、かすかな冷却ファンの駆動音だけだ。茎には微小な生体センサーが埋め込まれ、AIが日照量、二酸化炭素濃度、水分のストレス値をミリ秒単位で制御する。ここで作られるのは、もはや農作物というより「植物工場で合成された固形シロップ」に近い。
「昔は糖度15度で『驚きの甘さ』と騒がれましたが、今や25度、30度が当たり前です」と語る開発技術者の表情は誇らしげであり、どこか冷淡でもある。品種改良とバイオテクノロジーの極限進化によって、かつては和菓子やパティシエの手仕事でしか到達できなかった糖分の濃度が、樹上で自然に生成されるようになった。人間が本能的に求める快楽の数値を、テクノロジーが正確無比にハッキングした結果だ。
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