人道とは何か?最新の国際情勢が突きつける倫理と人道法の真実
人道支援の近代的運動は、一人のスイス人事業家の衝動から始まった。1859年、ソルフェリーノの戦いに遭遇したアンリ・デュナンは、放置された数万人の傷病兵が苦悶の末に息絶えていく惨状を目撃する。味方か敵かを問わず、苦しむ者に手を差し伸べる――彼の切実な呼びかけが、後の赤十字運動の種となった。
デュナンの理念を結実させたのが、国際赤十字委員会(ICRC)の誕生である。中立、公平、独立を中核に掲げる国際赤十字委員会(ICRC)は、戦場の最前線で傷病兵や捕虜の保護を担い続けてきた。過酷な砲火の只中で赤十字の標章を掲げ、敵味方の境界を超えて人命を優先する行動様式は、近代的支援機構のプロトタイプとなった。
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