やまいだれに比の漢字は存在しない?庇の正しい読み方と変換法
検索窓に「やまいだれ 比 漢字」と打ち込む読者が探している文字の99%以上は、実は「まだれに比 漢字」である「庇」を指しています。文化庁の漢字施策基準やJIS漢字コード体系を照合しても、常用漢字・人名用漢字・JIS第1水準から第4水準に至る主要な漢字集合の中に、「やまいだれ(疒)」に「比」を配置した実用漢字は収録されていません。
それにもかかわらず、なぜこれほど多くの人が「やまいだれ」だと思い込んでしまうのでしょうか。最大の原因は、部首である「まだれ(广)」と「やまいだれ(疒)」の極めて小さな外見上の差異にあります。まだれは左側の払いに点がありませんが、やまいだれは左側の払いに「チョンチョン」と2つの短い点(あるいは横画と点)が付加されます。スマートフォンやPCの縮小フォント、あるいは街中の看板や急いで書かれた手書き文字を目にした際、人間の視覚認知は細部の点を見落とし、あるいは無意識に補完してしまう傾向があります。
さらに、旁(つくり)が似ている「痺 読み方(しび・れる、ヒ)」や「疵 読み方(きず、シ)」といった、本物のやまいだれを持つ漢字が日常語として存在することも、記憶の混線に拍車をかけています。文字の骨格として「左上に囲みがあり、右側に比のようなパーツがある」という大まかな視覚情報だけが脳に残り、「やまいだれ 比」という誤った検索クエリが生み出されているのです。
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