24時間テレビがなくならない理由|批判や不祥事でも続く構造的真相

24時間テレビがなくならない理由|批判や不祥事でも続く構造的真相にまつわる興味深い視点を分かりやすく発信ます。

『24時間テレビ』が知識層や当事者から最も手厳しく糾弾される要素が、いわゆる「感動ポルノ(Inspiration porn)」の再生産です。障害を持つ人々や難病と闘う人々を「逆境に健気に立ち向かう純粋な存在」として描き、健常者の涙と自己満足のツールとして消費しているのではないかという問いは、年々鋭さを増しています。

NHK Eテレの障害者情報バラエティ番組『バリバラ』が同番組の裏番組で「検証!感動ポルノ」を放送し、障害者を特別視して感動の道具に仕立て上げるメディア構造を痛烈にパロディ化した出来事は、視聴者の意識を大きく変える転換点となりました。SNSやネット掲示板を定点観測しても、当事者や福祉関係者から以下のような複雑な声が噴出しています。

「日常で必要なのは『感動的な演出』ではなく、駅のホームドアやバリアフリーの拡充、就職差別の撤廃という制度改革だ。年に一度だけ可哀想な存在として涙を流され、翌日には忘れ去られる構造に違和感しかない」(SNS上の障害当事者の発言要約)

その一方で、現場の地方自治体や小規模作業所からは異なる実利的な現実も聞こえてきます。「綺麗事だけで福祉は回らない。24時間テレビの助成金で配備されたリフト付き福祉車両がなければ、過疎地での通所送迎は完全に崩壊していた」という声です。この「演出への倫理的嫌悪感」と「物理的支援への経済的依存」の引き裂かれたギャップこそが、番組の賛否を泥沼化させている本質です。

中村 さくら

中村 さくら

マネー&キャリアエディター

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。

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