整形外科の筋肉を柔らかくする薬は効く?筋弛緩薬の副作用と市販薬の真実
都内の整形外科クリニックで長年理学療法部門を統括する専門医および理学療法士への取材、ならびに実際に筋弛緩薬を処方された患者30名の追跡調査から、処方薬をめぐるリアルな人間模様が浮かび上がってきました。
40代のIT企業勤務男性は、手記の中で次のようにその劇的な体験と戸惑いを振り返っています。
「長時間のデバッグ作業で首が板のように固まり、頭痛で吐き気まで催していました。整形外科でテルネリンを処方され、夜に初めて飲んだところ、30分ほどで全身の強張りがフッと消え去り、泥のように眠ることができたのです。翌朝の首の軽さには驚愕しました。しかし、平日の昼間に服用した日は地獄でした。パソコンのモニターを見つめながら激しい眠気で意識が何度も飛び、キーボードに突っ伏しそうになったのです。効き目が強い分、完全にコントロールが必要な劇薬だと痛感しました」
また、クリニックの臨床現場で理学療法士が直面するのは、「薬で筋肉をほぐしても、立ち上がった瞬間に元の悪い姿勢へ戻ってしまう」というリハビリテーションの壁です。理学療法士の証言によると、処方薬によって一時的に筋紡錘の緊張シグナルが遮断されても、患者の体幹深層筋(インナーマッスル)が弱っていれば、関節を支えるために再び周囲の表層筋が過剰に収縮せざるを得ません。薬で緊張をオフにしている間に、正しい可動域を取り戻すストレッチや運動療法を差し込まない限り、薬が切れた瞬間に元の木阿弥となる現場の限界が浮き彫りになっています。
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