砂かぶり席の値段と買い方徹底解明|観戦ルールや危険性・妖精の現在
「砂かぶり」という名称は決して誇張ではない。土俵上で力士が激しく擦り足を踏み、投げを打つたびに、本物の白砂が容赦なく最前列の観客の顔や着物、洋服へと降りかかる。しかし、砂を被る程度なら微笑ましい体験で済む。本当の恐ろしさは砂かぶり席危険性の物理的側面にこそある。
体重150キロから200キロを超える鍛え上げられた力士が、時速数十キロの勢いで土俵下へ吹っ飛んでくる場面を想像してほしい。土俵の高さは約54〜60センチあり、勢い余った力士は踏み俵を越えて客席の頭上へと落下してくる。実際、審判員を務める親方衆や行司が力士の下敷きになって骨折や脳震盪を起こし、担架で緊急搬送される事故は幾度となく発生している。
過去には、溜席に座っていた観客に力士が直撃し、肋骨骨折や足首の重傷を負った事例が報道されている。日本相撲協会は場内医務室を完備し、日本赤十字社の救護班を待機させているものの、購入時の利用規約において「力士の転落による不慮の事故や怪我について、応急手当は行うが主催者は重過失がない限り責任を負わない」旨の免責事項が明記されている。つまり、怪我のリスクは事実上の自己責任なのだ。
それゆえ、溜席の常連や相撲通は、取組中に決して目を逸らさない。歓談したり余所見をしたりすることは、危険察知を遅らせる命取りの行為となる。「力士がこちらに飛んできたら、座布団を盾にするか、即座に身を捩って衝撃を逃がす」という覚悟と反射神経が、砂かぶり席の住人には暗黙の了解として求められている。
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