キッチンペーパーと食品衛生法の真相!手拭き用との危険な境界線
日本のスーパーや会員制倉庫型スーパーで圧倒的なシェアを誇る代表的製品について、その安全構造と認証状況を具体的に掘り下げます。
国内の料理研究家や料理教室から絶大な支持を集めるライオンの「リード クッキングペーパー」は、一般的なパルプ製ペーパーとは製法からして異なります。パルプ繊維を高温の蒸気と高圧水流で絡み合わせ、バインダーと呼ばれる特殊な熱融着繊維で結合させた不織布構造を採用しています。もちろん食品衛生法規格基準に完全適合しており、油こし、アク取り、電子レンジでの蒸し料理といった過酷な条件下でも、繊維がボロボロと千切れて料理に混ざる事故が起きない設計です。
一方で、コストコなどで大量購入される米プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)製の「バウンティ(Bounty)」に関する疑問も後を絶ちません。米国製であるため「日本の食品衛生法に通っているのか?」と疑問視されることがありますが、日本国内で正規ルートを通じて輸入・販売されているバウンティは、食品衛生法第27条に基づく輸入届出と規格検査を税関検疫所で通過しています。
バウンティは米国FDA(食品医薬品局)の基準を満たした高密度のバージンパルプを使用しており、水に濡らして絞っても破れないほどの耐久性が特徴です。ただし、バウンティの中にはカラフルなプリント柄が印刷されたバリエーションが存在します。印刷インキ自体も厳しい安全基準を満たしているとはいえ、煮汁の熱や油分によって色素が微量移行する懸念をゼロにはできないため、プロの料理人の間では「食材に直接巻く、または加熱接触させる場合は無地の面を当てるか、無地タイプを選択する」というのが暗黙のセオリーとなっています。
包装資材の専門店であるシモジマの店舗スタッフへの聞き取りや現場観察によると、近年はラーメン店や居酒屋の仕込み場でも、コスト削減のために洗面所用のペーパーを厨房へ持ち込む事例が保健所の立ち入り検査で指導対象となるケースが報告されています。厨房の衛生管理マニュアル(HACCP)が完全義務化された現在、器具や食材に触れるペーパーの「食品衛生法適合証明」の有無は、プロの現場において死活問題となっているのです。