「腫瘍」と言われたら全て癌なのか?良性・悪性の違いと検査の真相解明

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医療記事や公的文書で「がん」とひらがなで書かれている場合と、「癌」と漢字で書かれている場合があることに疑問を抱いた経験はないでしょうか。報道機関や医療従事者は、この2つを明確なルールに基づいて使い分けています。がんと癌の表記の違いは、病態がカバーする射程範囲の違いに直結しています。

平仮名の「がん」は、悪性腫瘍(悪性新生物)全体の総称です。これには漢字の「癌」だけでなく、骨や筋肉に生じる「肉腫」、白血病や悪性リンパ腫などの「血液がん」まで、あらゆる悪性疾患が包含されます。国のがん対策基本法や各種統計でひらがなが使われるのは、すべての悪性腫瘍患者を公平に対象とするためです。

対照的に、漢字の「癌(上皮性悪性腫瘍 / Carcinoma)」は、臓器や器官の表面・粘膜を覆っている「上皮細胞」から発生した悪性腫瘍のみを指します。胃癌、肺癌、大腸癌、乳癌、肝細胞癌など、成人に見られる悪性腫瘍の約85%〜90%はこの上皮組織由来の「癌」です。

ここで重要なのが肉腫と癌の違いです。肉腫(非上皮性悪性腫瘍 / Sarcoma)は、身体の骨組みや結合組織(骨、軟骨、筋肉、脂肪、線維組織、血管、末梢神経)など「非上皮性組織」から発生する悪性腫瘍を指します。骨肉腫や脂肪肉腫、横紋筋肉腫などが代表例です。肉腫は悪性腫瘍全体の約1%未満と希少ですが、若年層にも発症しやすく、抗がん剤や放射線治療に対する感受性が上皮性の癌とは異なるケースが多いため、特殊な専門医療体制が求められます。

世界保健機関(WHO)分類や日本癌治療学会が定義する悪性新生物診断基準では、組織の起源(上皮性か非上皮性か)、細胞の異型度(悪性度の高さ)、浸潤深度を厳格に分類して病名を決定します。この分類マップを理解しておくことで、医師から説明を受けた際の混乱を大幅に減らすことができます。

佐藤 大輔

佐藤 大輔

シニアコンテンツプロデューサー

最新のテクノロジーと生活デザインの融合をテーマに、国内外の最新トピックを発信しています。

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