山手線の座席が硬い理由は?新型E235系の座り心地と座席減の真相
山手線の新型車両で座席数が削減された最大の要因は、「ドア付近のスペース拡大」と「バリアフリー対応の全車展開」にあります。
かつて平成初期の山手線では、朝ラッシュ時の殺人的な混雑を緩和するため、座席を完全に格納して立ったまま乗車させる「6ドア車」が連結されていました。平日の朝9時30分または10時まで座席が折りたたまれて使用できない光景は、当時の東京の過密通勤を象徴する風物詩でした。しかし、2010年代に入りホームドア(可動式ホーム柵)の全駅導入計画が始動すると、ドア位置の異なる6ドア車はホームドア設置の致命的な障壁となり、全車4ドア車両への統一とともに姿を消すことになりました。
6ドア車の廃止に伴い、4ドア車両のままでいかに乗降遅延を防ぐかがJR東日本の大きな技術課題となりました。そこでE235系では、ドアと座席の間の袖仕切り形状を見直し、ドア付近の立ち客スペースを数センチ単位で拡大する設計を採用しました。駅停車時に乗客がドア周辺に滞留して通路が塞がれるボトルネック現象を緩和し、乗降時間をコンマ数秒単位で短縮することが、過密ダイヤを守るための絶対防衛ラインだったのです。
加えて、E235系ではベビーカーや車椅子利用者の利便性向上、大型スーツケースを持つ外国人観光客の増加を見据え、全11両のすべてにフリースペースを設置しました。先頭車・中間車の車端部にあった3人掛け座席の一部をフリースペースへ転換したことが、1編成あたりの座席定員が約508席まで減少した決定的な真相です。
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