ムツゴロウさんの遺言と王国の今…畑正憲が遺した動物たちの現在
東京大学理学部で動物学を修めたエリートでありながら、畑正憲氏が選んだ道は平坦ではなかった。1970年代初頭、北海道浜中町へ移住し、愛犬や馬、猛獣たちとともに開拓生活をスタート。これが伝説の「ムツゴロウ王国」の原点である。金銭的苦難や極寒の厳しい環境に晒されながらも、動物と人間が垣根なく同居する理想郷を構築していった。
彼が記した数々のノンフィクション・エッセイは、単なる動物観察記にとどまらない。生命の本質を透徹した眼差しで見つめ、時に残酷な自然の理を容赦なく描く文章力は、文学界でも高い評価を獲得した。徹底した現場主義と、動物の懐に土足で飛び込むような破天荒な行動力が、日本中の読者を惹きつけてやまなかったのである。
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