なぜ猫?キャットストリートの由来と真相、2026年最新の歩き方
キャットストリートの足元には、かつて清流として知られた「渋谷川」の上流部(穏田川)が今も暗渠として流れています。かつて葛飾北斎が『富嶽三十六景 隠田の水車』で描いたように、江戸から明治・大正期にかけてのこの一帯は、水車が回り農業用水や生活用水を供給するのどかな田園地帯でした。
大きな転換期となったのが、1964年の東京オリンピックです。選手村や競技場(国立代々木競技場)周辺の都市景観整備と衛生環境改善を目的として、開会直前に渋谷川の暗渠化工事が急速に断行されました。水面がコンクリートで塞がれた後、1970年代から80年代にかけて東京都と渋谷区によって「旧渋谷川遊歩道路」として歩行者専用道路が整備されたのです。
1990年代に入ると、この細長い歩行者動線は世界的なムーブメントの舞台へと変貌を遂げます。大通りに比べて家賃が安価だった隠田地区の雑居ビルや民家跡に、気鋭のデザイナーやインディペンデントなショップが次々と出店。いわゆる「裏原宿(ウラハラ)ストリートファッション」の爆発的ブームです。限定スニーカーやグラフィックTシャツを求めて何百メートルもの行列ができた光景は、暗渠という独特な細道空間が持つ「隠れ家感」と密接に結びついていました。
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