仏像の右手「施無畏印」の意味とご利益|恐れを払う由来と見分け方
施無畏印と与願印を結んでいる仏像に出会ったとき、「これは釈迦如来なのか、それとも薬師如来なのか」と迷う場面は少なくありません。同じ印相に見えても、いくつかの決定的なポイントを押さえるだけで簡単に見分けられます。
釈迦如来の施無畏印は、最もスタンダードな造形です。手には何も持たず、素手の状態で施無畏与願印を結んでいる場合、その多くは釈迦如来(または奈良の大仏のような盧舎那仏)と判断できます。服装も装飾品のない質素な衣(大衣)を身にまとっています。
一方、薬師如来の手の形を見分ける最大のポイントは「左手の手の平の上に小さな薬壺(やっこ)を乗せているかどうか」です。病気平癒を司る薬師如来は、万病を治す霊薬が入った壺を持つのが通例となっています。ただし、平安時代以前の古い仏像(奈良・薬師寺の本尊など)では薬壺を持たずに純粋な施無畏与願印を結ぶケースもあるため、その際は両脇に「日光菩薩・月光菩薩」を従えているかどうか(薬師三尊の配置)で特定します。
阿弥陀如来の印相との見分け方も明確です。阿弥陀如来も立像で胸に手を掲げることがありますが、施無畏印のように指をまっすぐ伸ばすのではなく、親指と人差し指(または中指・薬指)の先を合わせて「輪(サークル)」を作っているのが決定的な違いです。輪を作っていれば阿弥陀如来の来迎印、指を自然に伸ばしていれば釈迦如来や薬師如来の施無畏印と見分けることができます。
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