平成天皇誕生日はなぜ祝日にならない?昭和の日との違いと二重権威の真相
ネット上では時折、「政府が働く日を増やすために祝日を削った」「将来的に必ず『平成の日』として復活することが決まっている」といった言説が見受けられますが、これらはいずれも事実とは異なります。
まず、祝日の新設や改称には必ず国会での「国民の祝日に関する法律(祝日法)」の改正手続きが必要です。超党派の保守系議員連盟などからは、「激動の平成を振り返り、復興と平和を祈念する日として『平成の日』を設けるべきだ」という提言が散発的になされています。しかし、具体的な法案提出や国会での本格的な審議には至っていません。
祝日復活の前に立ちはだかる最大のハードルは、やはり「時期尚早論」です。政府関係者の共通認識として、上皇陛下がご存命であるうちは、12月23日を記念日として祝日化する議論を進めること自体が「二重権威」への配慮という退位特例法の精神に反するという見解が支配的です。したがって、制度論として「平成の日」の是非が本格的に国会で審議されるのは、将来の極めて重い局面を迎えた後のことになるというのが法制関係者の見立てです。
さらに、経済界からの慎重論も無視できません。日本は現在、年間16日の国民の祝日を有しており、これはG7(主要7カ国)の中でも最多水準です。祝日が増えることは労働者の休養につながる一方で、製造業の稼働日数減少や休日出勤手当の増加など、企業経営上のコスト要因にも直結します。もし12月23日を「平成の日」として復活させる場合、他の祝日を廃止して総数を維持するのか、それとも17日に純増させるのかという点において、国民的・産業的な合意形成を得ることは容易ではありません。
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