イルカを国民的歌手へ導いた神部和夫の音楽革命となごり雪の真実
神部和夫のキャリアを語る上で欠かせないのが、早稲田大学在学中に結成されたフォークグループ「シュリークス」だ。当初はトラディショナルなアメリカンフォークを基調としながらも、メンバーチェンジを経て保坂としえ(のちのイルカ)が加入したことで、グループの音楽的ダイナミズムは劇的な変貌を遂げる。
当時の日本クラウンで制作された楽曲群を聴き直すと、神部がいかに早い段階から「歌謡曲」と「フォーク」の境界を壊そうとしていたかが伝わってくる。自身のボーカルやギタープレイだけでなく、コード進行の構築やアレンジの質感に並々ならぬこだわりを注いでいた。だが、彼の真の才能が開花したのは、プレイヤーとして脚光を浴びること以上に、他者の才能を開花させる音楽プロデュースの領域だった。
イルカという唯一無二の歌声を持つ原石を見出した神部は、自らが前面に出る活動に終止符を打ち、彼女のソロ活動を全面的に支える覚悟を決める。この決断が、日本の音楽シーンの潮目を大きく変えることとなった。
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