2002年のヒット曲名鑑!歌姫たちの頂上決戦と社会現象の全貌
平成14年の音楽業界を象徴する最大のハイライトは、宇多田ヒカルと浜崎あゆみという二大巨頭のデッドヒートでした。前年2001年3月28日の「アルバム直接対決(『A BEST』vs『Distance』)」の余波が冷めやらぬ中、2002年の両者はさらなる作家性の深化を見せつけます。
浜崎あゆみは、元日にリリースしたオリジナルアルバム『I am...』で自ら全曲の作曲(CREA名義)を手掛け、9.11同時多発テロの衝撃を受けた反戦のメッセージを打ち出しました。そして7月に放った3曲入りシングル『H』は、夏を彩る開放的なアンセムから痛切なバラードまでを網羅し、見事に年間シングルチャート1位(101.3万枚)を奪取。自らのアイコン性を確立し、同年の『日本レコード大賞』で2連覇を達成します。
対する宇多田ヒカルは、6月に3rdアルバム『DEEP RIVER』を発売。これが初動売上だけで235万枚、累計360万枚を超えるモンスターヒットを記録し、年間アルバムチャート首位を獲得します。先行シングル『SAKURAドロップス』では、和風の旋律と最先端のエレクトロニカを融合させ、音楽批評家たちを唸らせました。当時の音楽誌のインタビューで彼女は「過去の自分をなぞるのではなく、内面の澱(おり)をすべて吐き出すように制作した」と述懐しています。二人の歌姫がそれぞれの美学を極限まで研ぎ澄まし、チャート上でしのぎを削った軌跡は、まさに平成音楽史の頂点と呼ぶにふさわしい光景でした。
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