エアコンの室外機から水が出ない?故障と正常の境界線とプロの診断法
もし「冷房は効いているのに水が出ない」という状態であれば、居住者自身の手で解決できる余地が残されています。ここでは、機器を破損させずに安全に配管を通水させるためのドレンホース掃除方法の手順を解説します。
作業に着手する前に、絶対に避けるべきNG行為を頭に叩き込んでおかなければなりません。ネット上の古い情報で「掃除機でホース先端から水を吸い出す」という裏ワザが散見されますが、これは極めて危険です。家庭用掃除機のモーター内部に汚水が侵入し、一瞬で漏電・発煙・故障を引き起こします。どうしても掃除機を使う場合は、気液分離器を噛ませるか、次に紹介する専用器具を使用してください。
【ステップ1:ホース先端の環境確認と異物除去】
室外機の裏や横にあるドレンホースの排出口を確認します。先端が植木鉢の土や落ち葉に埋もれていないか、ドレンキャップに埃が絡みついていないかを目視でチェックしてください。また、ホースが上向きに逆勾配になっていたり、途中で折れ曲がって波打っていたりすると水が抜けなくなります。真っ直ぐ下に向けて排水経路を確保するだけで、溜まっていた水が一気に流れ出すケースも珍しくありません。
【ステップ2:ドレン用サクションポンプの正しい運用】
配管内部に詰まったヘドロや昆虫の除去には、ホームセンターやECサイトで入手可能なドレン用サクションポンプを使用します。注射器のような構造をしたこの器具は、配管内の気圧を一気に減圧して異物を引き抜く専用工具です。
最大のポイントは、「引く時だけ力を入れ、押す時は必ずノズルをホースから外す」という鉄則を守ることです。ノズルを差し込んだままピストンを押し込むと、配管内のヘドロと汚水が室内機側へ逆流し、部屋の中に汚水が噴き出してしまいます。数回引き抜く動作を繰り返すと、「ゴボゴボッ」という鈍い音とともに黒ずんだ汚水が排出され、詰まりが解消されます。
自力での処置を施しても水が全く出てこない場合や、室内機側のドレンパン清掃を長年怠ってスライムが石灰化・固着している場合は、深追いは禁物です。無理にワイヤー等を突っ込むと、ドレンホースの蛇腹部分を突き破って壁内漏水を引き起こす原因になります。15分試して改善が見られない場合は、即座にプロの空調業者へバトンタッチしてください。