赤星ポジションの真相|阪神の名手と巨人右腕の起用論争を徹底解剖

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阪神タイガース赤星外野手がグラウンドで見せた守備位置の妙味は、いま振り返っても驚嘆に値します。2001年のドラフト4位でJR東日本から入団した赤星憲広氏は、50メートル5秒6の圧倒的な脚力を誇りながらも、プロの基準では決して強肩とは呼べない送球能力を自覚していました。そのハンデを埋めるために彼が下した決断が、「極端に浅いセンターのポジショニング」でした。

当時の野村克也監督や守備走塁コーチの教えを忠実に昇華させた赤星氏は、相手打者のスイング軌道、カウント、球種を徹底的に頭に叩き込みました。定位置よりも数メートル前に守ることで、前方に落ちるポテンヒットをことごとくノーバウンドで処理。さらに、頭上を越されそうな大飛球に対しては、卓越した背走技術と驚異的な加速力で追いついてみせたのです。この独自のポジショニングによって、外野手として通算6度のゴールデングラブ賞を獲得しました。

打順と走塁面においても、赤星憲広氏は相手バッテリーを恐怖に陥れました。通算381盗塁、5年連続盗塁王という数字もさることながら、特筆すべきは1番打者としての出塁時のプレッシャーです。リードの幅、投手の癖を見抜く眼力、トップスピードに乗るまでの歩数など、走塁の細部を極限まで科学。単に「足が速い」だけでは説明がつかない、緻密な計算に基づいた走塁哲学がそこにありました。

しかし、その献身的なポジショニングと恐れを知らぬ姿勢は、過酷な代償を伴うことになります。2009年9月12日、甲子園球場で行われた横浜ベイスターズ戦。内川聖一選手の放った飛球に対し決死のダイビングキャッチを試みた際、グラウンドへ激突。以前から抱えていた頚椎椎間板ヘルニアを悪化させ、中心性頸髄損傷という重傷を負いました。医師から「次に同じ衝撃を受ければ命に関わる、車椅子生活になる」と告げられた赤星氏は、わずか33歳でユニフォームを脱ぐ苦渋の決断を下しました。限界まで浅く守り、落ちる球を泥臭く奪いに行った名手の現役生活は、守備位置への強烈な責任感とともに幕を閉じたのです。

佐藤 大輔

佐藤 大輔

シニアコンテンツプロデューサー

最新のテクノロジーと生活デザインの融合をテーマに、国内外の最新トピックを発信しています。

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