マグロはなぜ泳ぎ続けるのか?止まると窒息する驚異の呼吸と睡眠の真相

マグロはなぜ泳ぎ続けるのか?止まると窒息する驚異の呼吸と睡眠の真相の真相や最新動向に迫る! 専門的な視点でまとめました。

マグロの飼育展示で世界的な実績を誇る東京都葛西臨海水族園をはじめ、大型水槽を抱える各施設において、マグロの激突死は常に飼育スタッフを悩ませる最大の課題です。マグロが時折、水槽のアクリルガラスへ猛スピードで激突してしまう事故の背景には、外洋生活に特化しすぎた身体的特徴が関わっています。

第一に、マグロには「バック(後退)する機能」や「急ブレーキ」をかけるヒレの構造が存在しません。胸ビレや腹ビレは高速遊泳時の水の抵抗を極限まで減らすため、体側のくぼみへピッタリと収納できる引き込み式になっています。これは高速巡航には理想的ですが、前方に出現した障害物に対して急制動をかけるには全く不向きです。

第二に、暗黒や均一な青の世界である外洋には、急激に現れる透明な壁など存在しません。葛西臨海水族園の飼育記録や研究者らの検証によると、入館者のカメラのフラッシュやスマートフォン画面の発光、さらには水槽外の微小な工事振動などに驚いた個体が一瞬パニックを起こし、反射的に全力加速(ダッシュ)を繰り出してアクリル面に衝突するケースが後を絶ちません。

体重100kgを超える巨体が時速数十kmで透明アクリル板に激突すれば、衝突エネルギーはすさまじく、脊椎骨折や頭蓋骨の粉砕によって即死します。そのため現代の水族館では、ガラス面に微細な黄色い縦縞テープを貼って境界を認識させたり、水槽照明を24時間ミリ単位で調光制御したりと、彼らの「止まれない突進力」をコントロールするための高度な配慮が続けられています。

山崎 陸

山崎 陸

ガジェット&アプライアンスライター

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