四次方程式の解の公式は実在する?使われない驚きの理由と導出の真実
一般の四次方程式は、最高次の係数を1として以下の形で表されます。
$x^4 + ax^3 + bx^2 + cx + d = 0$
この方程式を解くための代表的なアプローチがフェラーリの解法と、のちにルネ・デカルトが考案したデカルトの解法です。どちらの解法も、核心にあるアイデアは「変形を施して3次の問題にレベルダウンさせる」という点にあります。
1. 3次の項を消去する(チルンハウス変換)
まず、すべての基本となるのが3次の項の消去です。変数変換 $x = y - \frac{a}{4}$ を代入すると、展開の過程で $y^3$ の項が相殺され、次の簡約形(立方項のない四次方程式)へと整理されます。
$y^4 + py^2 + qy + r = 0$
もしここで一次の項がゼロ($q = 0$)であれば、方程式は $y^4 + py^2 + r = 0$ となり、高校数学で習う複二次方程式の解き方($Y = y^2$ と置いて二次方程式を解く手法)だけで瞬時に片が付きます。問題は $q \neq 0$ の場合です。
2. フェラーリの解法:完全平方式を作り出す
フェラーリは、方程式を $(y^2 + \frac{p}{2})^2 = -qy - r + \frac{p^2}{4}$ と変形した上で、両辺に新たな補助変数 $t$ を導入し、左辺を $(y^2 + \frac{p}{2} + t)^2$ という完全平方の形に拡張しました。すると右辺は $y$ の二次式になります。
この右辺の二次式が「完全平方式」になる条件は、その判別式がゼロになることです。右辺の判別式を計算すると、未知数 $t$ に関する三次方程式が導かれます。これが「分解方程式(レゾルベント)」です。三次方程式であれば、すでに発見されていた三次方程式の解の公式(カルダノの公式)を用いて $t$ の値を1つ特定できます。$t$ が決まれば両辺が「(二次式)² =(一次式)²」となり、平方根を取ることで2つの二次方程式へと分解され、最終的な4つの解が得られる仕組みです。
3. デカルトの解法:二次式の積に因数分解する
一方、デカルトは $y^4 + py^2 + qy + r = (y^2 + ky + m)(y^2 - ky + n)$ と因数分解できると仮定しました。係数を比較して $m, n$ を消去すると、$k^2$ を未知数とする三次方程式が現れます。この三次方程式を解いて $k$ を求めれば、直ちに2つの二次方程式に帰着します。教育現場や数学愛好家の間では、フェラーリの手法よりもデカルトの解法のほうが直感的に理解しやすいと評されるケースが目立ちます。