ゴールデンカムイ鶴見中尉の真実|妻子を失った過去と狂気、衝撃の最期
鶴見中尉がアイヌの金塊奪取に異常な執念を燃やした動機は、単なる私利私欲の蓄財ではありませんでした。彼の掲げた目的は、中央政府に見捨てられた北辺の将兵たちの尊厳回復と、極東ロシアへの防波堤となる自立国家の樹立という壮大な野心でした。
日露戦争において、第七師団は「北鎮部隊」として難攻不落の203高地などで凄惨な白兵戦を強いられ、膨大な戦死者と重傷者を出しました。しかし、戦後に明治政府がロシアから得られた賠償金はゼロ。命を賭して戦った将兵やその遺族には雀の涙ほどの補償しか与えられず、国家に見捨てられた兵士たちの間には絶望と不満が充満していました。
鶴見はアイヌの金塊(推計数万貫、国家予算数年分に匹敵する軍資金)を手中に収めることで、北海道を大日本帝国から軍事的に独立させ、自らが率いる軍事政権を打ち立てることを企てました。さらに満洲や極東ロシアへ利権を拡大し、自活できる強固な防衛国家を築くことで、散っていった部下たちの犠牲を報いようとしたのです。国家への叛逆でありながら、戦友への歪んだ義憤に裏打ちされていた点が、多くの兵士を惹きつけてやまない理由でした。
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