交通事故を人身扱いにしないメリットは?物損のリスクと落とし穴
交通事故の被害者相談現場において、最も後悔の声が多いパターンのひとつが「事故直後の加害者の平身低頭な態度にほだされ、物損扱いに同意してしまった」という事例です。現場検証の取材や法律相談のデータによると、事故から数週間が経過した段階で、加害者や相手方損保の姿勢が180度変わる事例が頻発しています。
ある30代会社員の男性は、赤信号での停車中に後方から軽自動車に追突されました。相手のドライバーは「仕事で車を使うため、人身事故になるとクビになってしまう。修理代も治療費もすべて自分が責任を持つ」と涙ながらに懇願。男性は頸部にわずかな違和感を覚えつつも、外傷がなかったため警察には「物損事故」として届け出ました。
ところが事故の3日後から耐え難い頭痛と腕の痺れが出現し、整形外科で「外傷性頸部症候群(むち打ち症)」と診断されます。男性が相手損保に治療費を請求したところ、相手担当者からは「警察の事故証明書は物損事故となっており、バンパーの凹みも軽微であるため、医学的に身体への衝撃は認められない」と冷淡に告げられ、わずか1ヶ月で治療費打ち切りのリスクに直面しました。
さらに深刻なのが後遺障害等級認定への影響です。半年以上通院を続けても頑固な神経症状が残った場合、後遺障害等級の認定を申請することになりますが、損害保険料率算出機構による審査において「物損事故のまま」という事実は致命的なマイナス要素として作用します。「警察が作成した実況見分調書が存在せず、衝突のエネルギーが軽微な物損と記録されている以上、永久的な後遺障害が残るほどの事故とは認められない」として、非該当の判断が下されるケースが後を絶ちません。
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