お腹の音は健康のサイン?正常な腸蠕動音の回数と異常を見抜く聴診術
腸の活動にトラブルが生じると、音の頻度や音質が極端に変化します。これらは重大な急性腹症のサインとなるため、聞き分ける知識が欠かせません。
1. 腸蠕動音の亢進(こうしん)
1分間に30回以上、休む間もなく激しい音が連続して聞こえる状態です。急性胃腸炎、感染性下痢症、あるいは下剤の服用後などに多く見られます。また、腹痛を伴って激しい蠕動が起こる「蠕動不穏」の状態では、腸管が詰まりかけた内容物を無理に押し出そうと過剰に波打っています。
2. 金属音(メタリック音・ピンポン音)
「キーン」「カランカラン」と甲高い金属同士がぶつかるような乾いた高調音が響く場合、機械的イレウス(腸閉塞)の強い疑いがあります。閉塞部位の手前で腸管が風船のようにパンパンに拡張し、閉じ込められた高圧のガスと液体が激しく撹拌されることでこの特有な音が鳴り響きます。直ちに外科的精査が必要です。
3. 腸蠕動音の減弱(げんじゃく)・消失
1分間に4回以下しか音が聞こえない「減弱」、あるいは完全に音が途絶える「消失」は非常に危険な徴候です。腹膜炎や急性膵炎、腹部大動脈瘤破裂、電解質異常による「麻痺性イレウス」などが原因となります。聴診部位を1箇所につき少なくとも2〜3分、腹部全体で5分以上聴き続けても全く音がしない場合は、消化管麻痺が進行している証拠です。
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