髭男「115万キロのフィルム」歌詞の真意|なぜその数字?感動の計算

髭男「115万キロのフィルム」歌詞の真意|なぜその数字?感動の計算の疑問点について、専門知識を基に徹底解説します。

曲名を初めて目にした際、「宇宙旅行の距離だろうか」「地球を何周する長さなのか」と疑問を抱いたリスナーは少なくありません。実際、地球1周が約4万キロ、地球から月までの距離が約38万キロであることを考えると、115万キロメートルは月と地球を約1.5往復(およそ3往復に迫る距離)できる天文学的なスケールです。しかし、この数字は突拍子もない空想ではなく、極めて論理的かつ精密な映像規格の計算から導き出されています。

映画業界で長年標準として用いられてきたアナログの「35mmフィルム」は、1秒間に24コマ(フレーム)送られます。この35mmフィルムの1コマあたりの長さは約19mm(0.019m)であり、24コマ分を進めると1秒あたり約0.456メートル(約45.6cm)のフィルムが消費される計算になります。これを人間の平均寿命として意識される「約80年」という年数に当てはめて換算すると、驚くべき事実が浮かび上がります。

うるう年を考慮した80年間の総秒数は「80年 × 365.25日 × 24時間 × 60分 × 60秒 = 約25億2460万8000秒」です。この総秒数に、1秒間で流れるフィルムの長さ0.456メートルを掛け合わせると以下の数値が算出されます。

「2,524,608,000秒 × 0.456m = 1,151,221,248m = 約115万1221キロメートル」

つまり「115万キロのフィルム」とは、「君と過ごす80年間の生涯を、1秒も途切れることなく映画フィルムとして回し続けたときのトータルの長さ」を意味しています。藤原聡はインタビュー等でも映像的なメタファーへのこだわりを語っていますが、単に感覚的な言葉で永遠を誓うのではなく、工学的な裏付けを持たせて「一生涯をかけて君を記録し愛し続ける」という決意をタイトルに封じ込めた点こそ、この楽曲の比類なきオリジナリティと言えます。

高橋 健太

高橋 健太

ライフスタイル編集者

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。

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