扇状地とは?三角州との違いや果樹園が多い理由・防災リスクを徹底解説
扇状地が形成される地域を歩くと、道路や鉄道の頭上を川が流れている異様な光景に出くわすことがあります。これがいわゆる「天井川(てんじょうがわ)」です。
天井川は、扇状地上を流れる河川に大量の土砂が堆積し、川底が周囲の住宅地や田畑よりも高くなってしまった河川を指します。河床が土砂で浅くなるたびに、水害を防ごうと先人たちが堤防を少しずつ高く積み増していった結果、川そのものが周囲の家々の屋根よりも高い位置を流れる構造が完成しました。
滋賀県草津市の旧草津川や、兵庫県神戸市・芦屋市の六甲山麓を流れる河川群は、天井川の典型として知られます。現地を訪れると、かつて川の下をトンネル(川倉)でくぐっていた旧街道の遺構が残り、水害と闘いながら土地を開拓してきた地域の歴史を生々しく物語っています。
山梨県勝沼地区の果樹農家を対象とした現地ヒアリングや伝承記録によると、「扇央の土は石ころだらけで、棒を突っ込めば水が吸い込まれるように消える。先祖は井戸を掘っても水が出ず難儀したが、果樹を植え始めてからこの土地の宝になった」という証言が残されています。水の乏しさに悩まされた土地を、人の営みと知恵によって強みへと転換させたプロセスが、扇状地の歴史には刻まれています。
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