若しくはと又はの違いをプロが解明!契約書と公用文の階層ルール
Q1:契約書で「若しくは」を単独で(「又は」を使わずに)使うとどうなりますか?
A1:直ちに契約全体が無効になるわけではありませんが、法律の起草慣例に反しているため「法的に詰めの甘い契約書」とみなされます。万が一の法廷紛争時、文言の厳格な解釈ではなく当事者の合理的意思解釈に委ねられることになり、自社が想定していなかった不利な解釈を裁判官に採用されるリスクが高まります。
Q2:「又は」と「もしくは」は漢字とひらがな、どちらで書くのが正しいですか?
A2:公式な契約書や公用文、規程類では「又は」「若しくは」と漢字で表記するのが法制執務上の正則です。一方、一般的なビジネスメールや一般市民向けのパンフレット等では、文字の圧迫感を減らすために「または」「もしくは」とひらがなで表記することが文化庁の指針でも容認されています。重要なのは同一文書内での統一性です。
Q3:3つ以上の名詞を並列して「どれか1つ」を選ぶときはどう書きますか?
A3:階層がないフラットな並列関係であれば、読点で繋ぎ、最後の結合部分にのみ「又は」を置きます(例:「A、B又はC」)。ここに「若しくは」を挟むと、自動的に「AとBが小グループになり、それとCが対立する」という階層の意味を持ってしまうため注意してください。
Q4:英文契約書の翻訳時に「若しくは」と「又は」が混在している場合の対処法は?
A4:英語の「or」は階層の区別を持たないため、日本語化する際には文脈から論理的なグループ分けを正確に読み解く必要があります。契約の主旨を精査し、包含関係の小さい束に「若しくは」、大枠の選択に「又は」を正確に割り振らなければ、原契約が意図した法規範を再現できません。
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