不知八幡森はなぜ今も禁足地なのか?水戸黄門伝説と平将門の怨霊の真相
不知八幡森にまつわる最大の謎は、「足を踏み入れた者は神隠しに遭い、二度と出てこられない」という恐ろしい伝承です。江戸時代から芝居や講談、錦絵の題材として広く庶民に知られてきました。
この地にまつわる代表的な怪異譚は、大きく2つの系統に分かれます。
1つ目は、あの水戸黄門(徳川光圀)にまつわる伝説です。天下の副将軍であった光圀が「迷信にすぎない」と豪語し、藪の真偽を確かめるべく家臣を従えて森の中に侵入したところ、竹が突如として妖怪変化のようにうねり、出口が消失。迷路と化した藪の中で白髪の老翁(神仏の化身)が現れ、「二度と立ち入るな」と叱責されて命からがら逃げ出したと伝えられています。このエピソードは江戸時代後期の錦絵(歌川国芳や月岡芳年らの作品)にも描かれ、不知八幡森の名を全国に轟かせる契機となりました。
2つ目は、平安時代の豪族・平将門の怨霊説です。平将門が関東で起こした承平天慶の乱において、この地に出城や陣屋を構えたとされ、将門の討死後に家臣の首や遺体が埋葬された場所であるという伝承です。また、将門軍の陣形「鬼門の陣」が敷かれた場所であり、足を踏み入れると将門の怨霊の祟りによって発狂するか命を落とすと恐れられてきました。
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