常緑ヤマボウシで後悔?冬の落葉や剪定の盲点と失敗しない植栽術
「常緑樹と聞いていたのに、冬になると葉がチリチリになり半分以上落ちてしまった。枯れたのではないか」という相談は、関東以北の寒冷地を中心に毎年冬に急増します。しかし、これは枯死ではなく植物の生存戦略による生理現象です。
常緑ヤマボウシとして流通している品種の多くは、中国中南部原産の「ホンコンエンシス(Cornus hongkongensis)」系統です。日本原産の落葉性ヤマボウシとは異なり、本来は温暖な照葉樹林帯に適応した樹種です。そのため常緑ヤマボウシの耐寒性はおよそマイナス5℃前後が限界とされ、寒冷刺激を受けると以下のような防衛反応を示します。
気温が5℃を下回る時期が続くと、葉に含まれる葉緑素が分解され、アントシアニンが生成されて葉全体が赤銅色からブロンズ色、黒紫色へと劇的に変色します。これを「冬の紅葉」として趣深く鑑賞できる地域がある一方、乾いた北風(からっ風)や連日の霜にさらされる地域では、水分蒸散を防ぐために自ら葉を落とす「半常緑(半落葉)状態」に移行します。
この冬の落葉と寒さ対策としては、以下の3点が不可欠です。
まず、植え付けから2〜3年未満の幼木期は寒さに弱いため、12月上旬までに株元へバークチップや腐葉土を厚さ10cmほど敷き詰めるマルチングを施し、地中の根を凍結から保護します。寒風が吹き抜ける北側や西側に植えている場合は、寒冷紗や防風ネットを一時的に巻いて冷風の直撃を遮断することが有効です。葉が落ちて枝先が寒さで傷んでも、春になれば再び新芽が力強く芽吹くため、冬の変色を慌てて切り落とさない冷静な見極めが求められます。
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