ロタウイルス便の色が白い理由とは?米のとぎ汁様下痢の経過と受診目安

ロタウイルス便の色が白い理由とは?米のとぎ汁様下痢の経過と受診目安について見逃せない 事実を分かりやすく解説いたします。

オムツの中の便がチョークのように白く染まる光景は、初見の保護者に強烈な視覚的ショックを与えます。ネット上では「内臓が壊れたのではないか」「劇症肝炎ではないか」といった過度な憶測も飛び交いますが、小児感染症の臨床現場において、ロタウイルスで白い便が出る理由は明確な消化器病理によって証明されています。

健康な子どもの便が茶褐色や濃い黄色を帯びているのは、肝臓から胆のうを経て十二指腸へ分泌される「胆汁(ビリルビン)」が含まれているためです。ビリルビンは腸内細菌の働きによって「ステルコビリン」という色素物質へと還元され、これが便を着色する主成分となります。しかし、ロタウイルスが体内へ侵入すると、十二指腸から空腸にかけてびっしりと生えそろっている小腸絨毛(じゅうもう)上皮細胞を集中的に攻撃し、粘膜組織を脱落させて壊死させてしまいます。

小腸粘膜の破壊によって腸管内の浸透圧バランスが崩壊すると、腸壁から大量の水分と電解質が管腔内へと流出し、激しい水様性下痢が引き起こされます。このとき、消化管の急速な蠕動運動によって腸内容物が超ハイスピードで押し出されるため、胆汁が便と均一に混ざり合って分解される時間が失われます。さらにウイルスの侵襲によって胆汁の分泌自体が一時的に抑制される現象が重なり、着色成分を完全に欠いたロタウイルスの便の色が米のとぎ汁のように白濁した液体として排出されるのです。

病初期や回復期には、未消化の母乳・ミルクの脂肪分や、胃酸・アルカリ性の分泌液が混ざり合うことで、白だけでなく薄いクリーム色、灰色、あるいは淡いレモンイエローを呈することもあります。胆道閉鎖症のような器質的疾患による白色便とは異なり、感染性胃腸炎に伴う色素欠乏は、小腸粘膜の細胞が自律再生を果たすとともに自然と解消していく一過性の生体反応です。

池田 達也

池田 達也

マネー&キャリアエディター

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。

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