堺・山之口商店街の現在|昭和レトロと再活性化の現場を徹底ルポ
大阪府堺市堺区の甲斐町から大町にかけて延びる山之口商店街は、紀州街道沿いの商業拠点として古くから発展を遂げてきた場所です。南北に約300メートル続くアーケードのルーツを辿ると、堺が商業都市として黄金期を迎えていた時代にまで遡ります。商人たちが行き交い、物資が集散したこの通りは、まさに堺の経済と庶民文化の心臓部でした。
この街を語る上で欠かせないのが、近代日本を代表する歌人・与謝野晶子の存在です。商店街の南西至近(大町西)には晶子の生家である老舗和菓子商「駿河屋」の跡地があり、現在も記念碑が建てられています。晶子が幼少期を過ごし、多感な青春時代に眺めたであろう街並みの骨格は、今なおこの商店街の区割りに色濃く残されています。
さらに、商店街の中ほどで堂々たる威容を誇るのが、地元で「大寺さん」の愛称で親しまれる開口神社(あぐちじんじゃ)です。神功皇后の時代に起源を持つとされる古社であり、境内には国指定重要文化財の建造物も現存します。山之口商店街は、この開口神社の門前町としての性格を併せ持ち、信仰と商売が密接に結びついて発展してきた類まれな歴史を有しています。
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