なぜ真っ赤に?アメリカ伝統スイーツの隠された真実と再現レシピ

なぜ真っ赤に?アメリカ伝統スイーツの隠された真実と再現レシピの真相について、専門知識を取りまとめてご紹介します。

歴史家の間でも長年議論されてきたのが、このケーキを爆発的に広めた黒幕は誰かというテーマだ。有名などこか怪しげな都市伝説の一つに、ニューヨークの最高級ホテル「ウォルドルフ=アストリア」がある。1930年代、このホテルで出されたケーキに感銘を受けた女性客がレシピを求めたところ、数百ドルという高額な請求書を送りつけられ、腹を立てた彼女が腹いせにレシピを街中にばら撒いたという噂だ。

しかし、商業的な成功を決定づけたのはテキサス州の食料品会社「アダムス・エキストラクト」の創業者、エド・アダムスの英断だった。1930年代の大恐慌時代、食料品や着色料の売上が激減した際、彼は赤い食用色素とバニラエキストラクトを大量に消費させるため、レシピカードとともにポスターを全米のスーパーに配布した。この巧みなマーケティングにより、家庭の定番おやつとしての地位が確立されたのだ。

食文化の世界的権威であるジェームズ・ビアードも、1972年の著書でこのケーキの複雑な歴史について言及している。もともとは自然な化学変化による微かな赤みだったものが、ビジネスの知恵と大衆の食への欲求によって、今日知られる鮮烈な真紅へと塗り替えられていった。

石川 優花

石川 優花

インテリア&ライフスタイルコーディネーター

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。

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