実はNg?習字の筆の正しい洗い方と固まった穂先の復活術【2026】
「墨の汚れがひどいから」と、お風呂場で熱いお湯を使ったり、石鹸やシャンプーで泡立てて洗っていませんか。実はこれらの行為は、筆にとって致命的なダメージを与えます。
第一の理由は、筆の構造を支える接着剤への影響です。書道筆の毛束は、根元部分を専用の接着剤(伝統的な膠や耐水性樹脂)で結束して軸に固定されています。40℃を超える熱湯を使用すると、この接着剤が軟化・溶解し、毛がごっそりと抜け落ちる原因になります。メーカー各社が推奨する温度は、人肌よりもぬるい30〜40℃程度のぬるま湯、あるいは常温の水道水です。
第二の理由は、毛質そのものの劣化です。高級な書道筆には羊毛(山羊)、馬毛、イタチ毛、タヌキ毛などの天然毛が使われています。これらの毛には適度な天然の油分が含まれており、これが墨含みの良さとしなやかな弾力を生み出しています。アルカリ性の石鹸や脱脂力の強いシャンプーで洗ってしまうと、必要な油分が完全に奪われ、キューティクルが破壊されて毛先がバサバサに広がってしまいます。
ネット上では「仕上げにヘアリンスやトリートメントを使うとしなやかになる」という裏技が語られることがありますが、これも注意が必要です。リンスに含まれるコーティング成分(シリコン等)が毛の表面を覆ってしまうと、墨を弾いてしまい、かすれや墨持ちの悪さを引き起こすリスクがあります。基本は「薬剤を一切使わず、水またはぬるま湯のみで洗う」ことが鉄則です。
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