膵臓はどこにある?胃の裏に潜む沈黙の臓器と背中・みぞおちのSos

膵臓はどこにある?胃の裏に潜む沈黙の臓器と背中・みぞおちのSosについて押さえておきたい ポイントを分かりやすく解説いたします。

肝臓と並び、医療現場で膵臓が沈黙の臓器と呼ばれる理由は、感覚神経の分布と先述した「後腹膜」という隠遁的な配置の二重構造にあります。膵臓の実質(細胞そのもの)には痛覚を感じる知覚神経がほとんど張り巡らされていません。そのため、内部に小さな炎症や初期の腫瘍が発生した段階では、脳へ送られる痛みの信号そのものが物理的に生じない仕組みになっています。

自覚症状として表面化するのは、病巣が大きく膨らんで膵臓を包む被膜を押し広げたときか、主膵管(消化液の通り道)が詰まって内圧が急上昇したとき、あるいは周囲を走る腹腔神経叢(ふくくうしんけいそう)という神経の束に病変が浸潤した段階に限られます。

この解剖学的トラップがもたらすのが、みぞおちの痛みと膵臓、そして膵臓の場所と背中の痛みが密接にリンクする「関連痛(放散痛)」のメカニズムです。膵臓が刺激を受けた際、その痛みのシグナルは内臓神経を経由して背骨付近の脊髄(第6胸椎〜第1腰椎レベル)へと入力されます。この脊髄領域は、胃や十二指腸、さらには背中の筋肉から感覚を受け取るルートと共通しているため、脳が「胃が荒れている」「背中の筋を違えた」と誤認してしまう錯覚が起こるわけです。

みぞおちの不快感を胃炎だと信じ込み、数ヶ月にわたって市販の胃腸薬でごまかしているうちに病態が静かに進行してしまうケースが後を絶たない背景には、人体の神経配線が抱えるこのような構造的盲点が存在しています。

佐藤 大輔

佐藤 大輔

シニアコンテンツプロデューサー

最新のテクノロジーと生活デザインの融合をテーマに、国内外の最新トピックを発信しています。

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