國母和宏の現在|腰パン騒動と逮捕の真相、世界が絶賛する実力と今

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國母和宏の名が日本中の茶の間に知れ渡った最大の契機は、2010年バンクーバーオリンピック日本代表選手団の出発時でした。ドレッドヘアにサングラス、ネクタイを緩め、ブレザーの裾を出し、スラックスを極端に下げて履くいわゆる「腰パン」スタイルで成田空港に現れた姿は、メディアの格好の標的となりました。

現地での緊急記者会見において、服装の乱れを問われた際に発した「反省してまーす」という気のない返答や、マイクが拾った舌打ちの音は、日本全土で激しい非難を呼びました。全日本スキー連盟(SAJ)には抗議の電話が殺到し、五輪入村式への出席自粛という異例の処分にまで発展したことは記憶に新しい事実です。

しかし、この騒動の背景には、日本のアマチュアスポーツ界が求める「礼儀正しい日の丸の代表像」と、アメリカ発祥のストリートカルチャーで育った「自己表現を至高とするプロスノーボーダー」という、根本的な文化摩擦が存在していました。当時の密着ドキュメンタリーや後の関係者手記によれば、11歳で世界最高峰のブランド「BURTON(バートン)」と契約し、アメリカの過酷なプロの世界で実力のみを頼りに生き抜いてきた彼にとって、形式美や同調を強制される儀礼的なルールへの激しい違和感と反骨心が、あの瞬間的な態度に直結していたと分析されています。

激しい逆風と凄まじいプレッシャーの中、バンクーバー五輪の男子ハーフパイプ本番で國母が見せた滑りは、世界最高難度のトリック「ダブルコーク」を繰り出す圧巻のパフォーマンスでした。惜しくもメダルには届かず8位入賞となったものの、転倒しても攻め続けるその姿は、本場アメリカの解説者たちから「真のボーダー」「スタイルマスター」と最大級の賛辞を浴びました。

鈴木 陽菜

鈴木 陽菜

テックライター兼ウェブディレクター

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