濃縮還元とは?体に悪い噂の真相とストレートとの違いをプロが徹底解説
「果汁から一度水分を抜いて、あとから水を足す」と聞くと、なぜわざわざ二度手間を踏むのか不自然に感じるかもしれません。しかし、この製造プロセスこそが、日本にいながら世界中の果実を安定した品質と手頃な価格で楽しめるようにした近代飲料産業の要石です。
果汁の水分を抜く工程は、専門用語で「濃縮」と呼ばれます。海外の広大な果樹園で収穫されたオレンジやりんごは、現地の工場で洗浄・搾汁された後、主に「真空蒸発濃縮法」という技術にかけられます。減圧したタンク内では沸点が40℃〜50℃前後まで下がるため、果汁を過度に焦がすことなく水分だけを素早く蒸発させることが可能です。この工程によって、果汁の体積と重量は元の約5分の1から6分の1にまで圧縮されます。
水分を抜く最大の理由は、輸送コストと保管スペースの劇的な削減にあります。果汁の主成分の約85%〜90%は水分です。水分を含んだままの重い生果汁を、南米ブラジルや北米から日本までチルド(冷蔵)タンカーで運べば、膨大な燃料代と冷凍コンテナ費用が発生します。容積を6分の1に濃縮し、マイナス18℃以下の冷凍ペースト状態で輸送すれば、物流コストは数分の一に抑えられます。
さらに、冷凍濃縮ペーストは酸化が進みにくく、数か月〜数年にわたる長期保管が可能という強みを持ちます。天候不良による果物の不作や季節の端境期であっても、日本国内の充填工場で「蒸発させた量と全く同じ純水」を加えて撹拌・還元(復元)することで、1年を通じてブレのない味わいと均一な価格で店頭へ供給できるのです。
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